end ALS 〜ALSという病気を知っていますか〜

 

end  ALS  〜ALSという病気を知っていますか〜

難病ALSと闘う広告プランナー藤田正裕さん。病気の恐ろしさを訴えるため、全身が動かないことを逆手にとって、自ら「静物画」のモデルになるデッサン会を企画した。

困難にぶつかった時、一歩前に進むためのヒントを探る「ブレイクスルー」。2年間に渡って継続取材している難病ALSの広告プランナー・ヒロさんこと藤田正裕さんの闘いです。
5月に開かれた“I’m still(私は静止している)”というイベント。病気の恐ろしさ、撲滅を訴えるため、全身が動かないことを逆手にとって、自ら「静物画」のモデルになるデッサン会を企画した。風間俊介さん、AIさんがヒロの自宅で話を聞く。
 
みなさんはそもそも「ALS」という難病についてどのくらい知っているでしょうか?
 
もう既に詳しく知っている人もいれば、病名自体初めて耳にしたという方もいるかと思います。

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HIRO FUJITA
藤田正裕

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ALS Patient
Planning Director at McCann Erickson Japan
Born in Tokyo in 1979.
Joined McCann Erickson Japan in 2004.
Diagnosed with the incurable disease in November of 2010, yet continues to work from home.
Hopes to raise awareness for ALS by sharing his devastating, yet invaluable experience.

マッキャンエリクソン、プランニングディレクター 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 患者。
1979年東京生まれ。2010年11月に難病診断を受け、現在は自宅から仕事を続けている。
難病ALSの認知を高めるため、自らの体験を自らの言葉でシェアしていきたい。

ALSとは?

ALSとは脳や末しょう神経からの命令を筋肉に伝える運動神経細胞が侵される病気です。特定疾患の一つとして指定難病になっています。筋肉を動かすことが困難になり、自分の思い通りに体を動かすことが困難になります。極めて進行が速く、患者の半数が発症後3年から5年で呼吸金麻痺により死亡します。治癒のための有効な治療法は確立されていません。ALSの症状が現れるのは50代から70代前半の年齢層に多いと言われています。

ALSの症状の進行

<初期症状>
1.手や指足の筋肉が弱くなりやせ細る ALSの患者の内4人に3人が手足の動きに異常を感じます。箸が持ちにくい、重いものを持てない、走りにくいなどの自覚症状を感じるなど手足のまひによる運動障害の初期症状が現れます。このような症状とともに、手足の筋肉がやせ細っていきます。
2.話しにくくなったり食べ物を飲み込みにくくなったりする ALSの患者の4人に1人が舌やのどの筋肉の力が弱まる球麻痺という症状が現れます。舌が思い通りに動かず、言葉が不明瞭になり特にらりるれろ、ぱぴぷぺぽの発音がしにくくなり、コミュニケーション障害に陥ります。また舌やのどの筋肉が弱くなるので、食べ物やつばを飲み込みにくくなり、むせることが多くなる嚥下(えんげ)障害が現れます。

<症状の悪化>
3.呼吸がしにくくなる 十分に睡眠がとれない、頭が重いなどの症状が現れる場合もあります。これは呼吸を行う筋肉が衰えたことによる症状で、呼吸器障害に繋がります。
4.全身の筋肉が弱くなる 最初に現れる症状は人によって異なりますが、ALSが進行すると運動障害、コミュニケーション障害、嚥下障害、呼吸器障害が全て現れるようになります。症状が重くなると、自力では起き上がれなくなり、言葉を発することや食べ物を飲み込むことが困難になり、呼吸困難に陥ります。意識や五感は正常で、知能の働きも変わりません。

 

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ALS研究の現状

ALSが発症すると、遺伝子異常や細胞死の過程で引き起こされる特異的な分子変化が見られます。このような現象的な知識は研究の結果ある程度蓄積しています。 一方で観察された現象が、ALS運動ニューロン死を引き起こす直接の原因を反映しているかどうか(二次的に引き起こされた反応ではないか)、や責任遺伝子の変異がどういうメカニズムで細胞死を引き起こすのかなど、本質的な理解に繋がる知見は不足しています。 ALSは進行が非常に速く治療効果が見えにくいので、治療には神経細胞の変性自体を止めるという根本原因の解決が必要です。そのため他の疾患と比べても治療へのハードルが高いと言えます。
なぜ難病の研究が進まないのか?
今回のアイスバケツチャレンジではALSが注目され、多くの寄付が集まっています。日本では、8月18~22日の5日間で、昨年度1年分に迫る394万円に達しました。今後も寄付金の増加が予想され、今回の慈善活動は研究のための効果を上げているといえます。
そもそも、ALSのような難病が患者にとって深刻な問題をもたらすにも関わらず研究が進まないのはなぜなのでしょうか?ALSの患者数は、世界で約12万人、日本では9千人ほどです。一方で、例えば生活習慣病の糖尿病であれば国内だけで237万人の患者が存在します。つまり、市場規模が小さいのです。新薬の開発には100億円から1000億円がかかると言われる中で、患者数が少なく、市場規模の小さい分野での新薬開発は市場原理に乗りにくいため、研究が進まないのです。

 

活動の継続性と波及効果

また今回の慈善活動で注目したいのが、活動の持続性と波及効果です。最終的な目標は一時的に寄付金を集めることではなく、研究によりALSの原因を究明し治療法を確立することにあります。その点で、一時的な流行で終わらすのではなく、継続的な支援をすることが重要です。また、ギランバレー症候群やフィッシャー症候群などALS以外で難病指定されている疾患は130に上ります。今回注目を集めたALSだけでなくそれ以外の難病にも関心を持ち、支援を行うことでアイスバケツチャレンジが本当の意味での慈善活動になるのではないでしょうか。

 

 

藤田正裕の現在(いま)

チームEND ALSの大木美代子と申します。
目が以前のように動かせなくなってしまったヒロに代わってヒロの活動やヒロの様子をご報告させて頂きます。

ヒロがALSに診断されてからもうすぐで6年になります。広告会社に勤めている自分がALSになったのには何か理由がある。また、まだ親孝行をしていない、世の中に貢献していないを理由に、ALSを終わらせるために
、自ら一般社団法人END ALSを立ち上げました。私を含め社内外、会社の垣根を超えたチームEND ALSの仲間が、ヒロと同じ想いを持ち、集まりヒロと一緒に様々な活動を進めてきました。

その一つで、動けない身体を逆手にとってヒロが絵のデッサンのモデルを務めることでALSの認知、そしてこの病の残酷な現実への理解を深める活動”I’M STILL”が、沢山の方の温かいサポートのおかげで、日本で最も権威のある広告賞ACC CM フェスティバルでグランプリ、総務大臣賞受賞しました。本来であればヒロも贈賞式に出席したかったのですが、叶わず、事前にヒロが用意したスピーチをヒロのお兄さまが代読しました。そのスピーチをご紹介させて下さい。

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ご紹介いただきました藤田正裕です。マッキャンエリクソンのプランニングディレクターで、闘病約6年のALS患者です。

この度は、このような賞を頂き、本当にありがとうございます。
私の事を知ってる人なら理解出来ると思いますが、この様な歴史ある賞を頂ける身分ではありません。

この病気と、業界の垣根を超えた仲間たち、たくさんの支援・応援のお陰です。
ALS患者をはじめ、難病と闘っている人達を代表して受賞させて頂きます。
直接、受け取りたかった。

しかし、ヘルパーの関係や自分の体調もあり、伺う事が出来ず、申し訳ありません。
実は、この短い挨拶もヘルパーと文字盤を通じて数日かけないといけない程、目の動きがやられてきました。

そろそろ目までも奪われ、待っているのは暗闇です。
その前に我々の約6年にわたる努力が、このように評価された事が嬉しいです。というかホッとしています。ALSを終わらせるために、少しでも貢献出来たと確信しています。

誰にいつ襲いかかるかわからないこの悪夢を一刻も早く終わらせるために、皆様のお力を貸してください。
私はコミュニケーションの力を信じ続けます。
最後に、このような賞を頂き、心から あざーす。

「ONE TRY  ONE LIFE」

 

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世の中には何万人に一人の難病を患う方で溢れています。原因不明、治療方法が解明されず、高額の医療費も抽出出来ず戦っている方がたくさんいます。

だから「誰か一人を助けたって意味がないんじゃないか・・・。」

そう思っていました。

しかし、そうではありませんでした。

もし、あなたの大切な人が難病にかかったらどうしますか?

一人でも誰かの力になれることが出来たら、そして広める活動を手伝えたのなら、少しでも何か希望が見えてくるはずです。

藤田さんの活動を通じて、そう感じることができました。(yui)

寄付の方法

・ALSの寄付
日本ALS協会
http://www.alsjapan.org/-article-705.html
一般社団法人END ALS特設サイト
http://alschallenge.justgiving.jp/
・その他の難病の寄付
日本難病・疾病団体協議会
http://www.nanbyo.jp/kihu1.html
参照リンク
難病情報センター
ALS筋委縮性側索硬化症の疾患・治療に関する情報プログラム
ダイヤモンドオンライン

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Yui

Yui

図書館司書とシナリオライターの二つの顔を持つYUIです。 伝統芸能に精通しており、歌舞伎、邦楽、落語、着物の魅力を広めたいです。