歌舞伎俳優の1日全部見せます‼︎『傾く者たち』中村橋吾 独占密着取材 in 国立劇場

今回は特別に国立劇場さんの許可も頂き、colors*独占密着取材に成功しました!
「特別版」として、他では、決して見ることの出来ない裏側を一挙公開!

『傾く者たち』第2弾 で登場の「歌舞伎俳優 中村橋吾」さんの楽屋へお邪魔し、1日に密着。
化粧や衣装など公演前の様子を始め、終演後の舞台裏に潜入し、黒御簾の内側から花道まで、特別に取材させて頂きました!
記事だけでなく、写真も貴重なショットばかりの特別版です。ぜひ皆さんも裏側を一緒に覗いているようなお気持ちで楽しんでお読みください。

中村橋吾さんは、先月の明治座『御宿かわせみ』では蕎麦屋であり岡っ引きでもある長助役を演じられておりましたが、今月は国立劇場にご出演中です。
先月とはガラッと打って変わり、歌舞伎鑑賞教室の『歌舞伎のみかた』では、『悪七兵衛景清で荒事を、魚屋宗五郎』では岩上典蔵を演じられております。

 

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国立劇場  楽屋入り口

 

入り口を入ると目の前に楽屋稲荷があります。稲荷に手を合わせ本日の舞台の御祈願をします。

 

※「稲荷神社」とは、日本の神社の内で32000社を数え、最大数の神社です。本来は穀物・稲作農業の神ですが、現在は産業全般の神として信仰されています。
江戸時代には、商売繁盛の神として広まり、江戸の町の至る所で見かけられるものとして「伊勢屋、稲荷に、犬の糞」とまで言われるようになりました。歌舞伎座の入口・木挽町付近にも「歌舞伎神社」があります。

 

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入り口を入ると目の前に楽屋稲荷があります。稲荷に手を合わせ本日の舞台の御祈願をします。

 

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続いて着到板に駒を挿します。

 

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着到板は、いわば舞台出演者を対象としたバックステージのタイムカードの役割を果たしています。

 

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この後、楽屋へ向かいます。こちらが橋吾さんの楽屋です。

 

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一息つくと、早速化粧が始まります。解説を交えながら、化粧の様子をじっくり見させて頂きました。

 

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化粧

こちらが橋吾さんの化粧一式。

化粧品は全てご自身で選んでいるもの。無添加のものなので、比較的肌荒れもおこさないそう。

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①顔に ビンツケ油(下地あぶら、つまりけし下地)を塗る。

 

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②次に硬い ビンツケ油(石練り)を熱して、こめかみ、眉毛を潰す。

 

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③半羽二重(はんはぶたい)をして、白、茶、黄色の化粧道具を使って、羽二重と肌との色を合わせいく。

 

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④白粉(おしろい)を水で溶き、顔に塗る。

 

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⑤白粉(おしろい)を水で溶き、顔に塗る。乾く前に素早く、スポンジを使って均等に白くなるように、ムラにならないように気を付けながら顔をたたく。

 

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⑥白い粉(粉おしろい)を顔にやさしく均等にたたきまつげを丁寧に拭く。

 

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次はいよいよ、隈取です。

⑥赤黒青の順に筆で丁寧に隈取をする。

 

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ふーっと息を抜きながら、筆を一気に走らせ線を引く。

 

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この隈取の線をぼかす作業は、昔は線を一本引くだけだったそうです。しかし、ぼかした方が荒々しさがより滲み出ると、二代目市川團十郎さんが行い、変わっていったようです。

 

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隈取の筆を走らせ、一本一本線を入れながら、次第に役に入り込む様子が伺えました。側で見ているとその様子に息を呑み、空気が止まっている錯覚に陥ります。

橋吾さんから、悪七兵衛景清へ。お顔の完成。

 

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化粧を施し、次は衣装の拵えです。

 

 衣装

 

これが景清の衣装です。

 

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衣装はとても重く(20キロほど)大変な作業のため、衣装さんは2人がかり。

 

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時折、会話も交えながら楽しそう。

 

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段々と作業が進むにつれて、空気が変わっていきます。

 

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きつく結ぶ帯など、女性の衣装さんも大変な様子。橋吾さんも、息を「ふーっ」と吐き、重い衣装に身を包みます。

 

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金糸の亀甲に牡丹、中心には海老。これは亡くなられた十二代目市川團十郎さんの実際に着られていた衣装だそうです。

 

衣装を拵えると、最後は鬘の装着。

 

 鬘

 

橋吾さん特注の鬘です。

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 完成

化粧・衣装・鬘を全て終え、悪七兵衛景清の完成!!既に荒々しさが滲み出ています。

 

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 出番までの5分間で、こんなお話をしてくださいました。

 

Q、台詞が飛んでしまうことはありますか?

A、ありますよ(笑)台詞はもちろん、小道具を忘れてしまったり。芝居は生ものですから。以前、舞台装置が壊れてしまって、盆(回り舞)が回らないなんてこともありました。

 

Q、重い衣装でぐらついたりはしませんか?

A、それもあります(笑)でもなるべくぐらつかないように、日ごろから体幹を鍛えるようにしています。

 

Q、出番の前に緊張はされますか?

A、う~ん・・。ワクワク感の方が強いですね。こんなお役は滅多にできないお役です。やりがいの方が先に立ちます。国立劇場さんに感謝しています。

 

 

いざ出番!!

 

出番寸前まで取材に答えて頂き、「行ってきます」と勇ましい姿で舞台へ向かわれます。

colors*取材陣もこの後、観劇をさせて頂きました。

20キロの衣装を着ているとは思えない見事な六方を披露し、客席からも拍手喝采。

その後の『魚屋宗五郎』で岩上典蔵を演じらました。

 

終演後は、舞台の裏側へ特別に入らせて頂き、橋吾さんがご案内下さいました。

 

舞台裏のレポートは、次回をお楽しみに!!

 

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◆ 歌舞伎公演(大劇場)  
  

6月歌舞伎鑑賞教室 好評上演中!
解説「歌舞伎のみかた」「新皿屋舗月雨暈-魚屋宗五郎-」
6月24日(金)まで! 

 

「芝翫襲名を控え、橋之助の名前のうちにやるべきものの一つ」と、中村橋之助が作品への思いを語っていた「魚屋宗五郎」。その強い思いが込められていて、芝居に引き込まれ、目が離せません。また、梅枝のおはまとの息がぴったり合い、江戸庶民の生活がリアルに描かれています。千穐楽まで残り5日です。

この機会をどうぞお見逃しなく。

  初日の様子です。詳細はこちらをご覧ください。
  http://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/28/6162.html?no=jac160620

  あらすじをマンガで紹介しています。詳細はこちらをご覧ください。
  http://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/28/6160.html?no=jac160620 

  記者懇談会の様子です。詳細はこちらをご覧ください。
  http://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/28/5377.html?no=jac160620

  公演の詳細は、こちらをご覧ください。
  http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2016/286100.html?no=jac160620

 

 

写真©️栗原

記事©️yui

 

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Yui

Yui

図書館司書とシナリオライターの二つの顔を持つYUIです。 伝統芸能に精通しており、歌舞伎、邦楽、落語、着物の魅力を広めたいです。