『傾く者たち』義太夫三味線奏者 豊澤長一郎 歌舞伎座密着レポート

 

『傾く者たち 』 義太夫三味線奏者 豊澤長一郎

 

第2回目は6月歌舞伎座公演の密着レポートです。

長一郎さんは、通し狂言『義経千本桜』2部すし屋で1時間45分にも及ぶ長丁場をたったお一人で演奏されております。

お忙しい合間を縫って、colors*のために歌舞伎座の裏側をご案内して下さいました!

 

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 第二部

いがみの権太(いがみのごんた)

〈木の実・小金吾討死〉

権太親子の情愛と小金吾の勇壮な大立廻り
 下市村の茶屋へ、平維盛の行方を探す御台の若葉の内侍と若君の六代、その家来の主馬小金吾がやって来ます。そこへ「いがみ」と呼ばれる無法者の権太が現れ、小金吾に因縁をつけて金を巻き上げます。その後、追手に囲まれた小金吾は奮戦して内侍と六代を逃しますが、ついには討死してしまいます。偶然そこへ通りかかった権太の父の弥左衛門は、小金吾の首を持ち帰ります。

 

〈すし屋〉

一家を見舞う悲劇と権太の思い
 すし屋を営む弥左衛門は、旧恩ある平重盛の子 維盛を奉公人の弥助として匿っています。弥助に思いを寄せるこの家の娘お里は、若葉の内侍の来訪により真実を知り三人を逃しますが、その様子をうかがっていた権太は、訴人しようと駆け出していきます。そこへ詮議に現れた梶原景時に、維盛の首を携えて再び戻った権太が、内侍親子の身柄を差し出してしまいます。弥左衛門は怒りのあまり、権太を刺してしまいますが…

 

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長一郎さんにとっての < 鮨屋の視点 > とは

 

一番大変な所は権太(松本幸四郎丈)が女房、倅を縛って

「面上げろい!」

と言った直後の強いカラニに全神経を集中させるところです。

一方で、重いようですが首実検の場面は比較的自然に演奏出来ます。

 

※ カラニとは

時間経過や心理描写を現す

 

兎に角、様々な演者(役)がご出演される演目なので、弾き分けや、同じ役者さんでもその時々で気分や体調により、動きが異なる為、素早く察知する順応性が必要とされます。そこが、今月はやり甲斐のある所でもあり、苦労する所でもあります。

あとは6月という梅雨の時期には、三味線の音が響きづらいので調整が大変です!!

 

※ 三味線と湿気

 三味線の皮はその環境によって伸びたり縮んだりします。音も変化してしまう。

 

とにかく普段は必ず弾けても舞台にあがると

「あれっ!」

と思う事が度々ある為、なるべく普段と変わりなく弾けるように心がけています。

6月歌舞伎座は1部から3部まで先輩方の演奏や、お芝居内容もとても素晴らしいので見逃されませんように、是非ご来場お待ちしております♪

 

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Yui

Yui

図書館司書とシナリオライターの二つの顔を持つYUIです。 伝統芸能に精通しており、歌舞伎、邦楽、落語、着物の魅力を広めたいです。