『傾く者たち 附け打ち 山﨑徹』ワークショップ体験取材

 

『傾く者たち』第1弾 附け打ち山﨑 徹さん第3回目は2016年5月19日(木) 開催、【附けの會☆浅草】歌舞伎 伝統芸能の継承ワークショップ・エッセンス、豊澤長一郎さんをゲストにお迎えした「義太夫三味線の魅力」に体験取材をさせて頂きました。

 


 

【附けの會☆浅草】

歌舞伎 伝統芸能の継承ワークショップ・エッセンス

「義太夫三味線の魅力」

 

山﨑 徹さんのご挨拶

< 附けの會きっかけ >

 歌舞伎の世界も最近では、様々な物を取り入れているように思います。それも良いことですが、取り入れすぎていて広く浅くになってしまっている。ぎゅっと集約したものが少なく、伝えていく人がいません。

であれば、自身がそうゆう場を作ろう。伝統芸能に携わる方は一人一人伝えていきたいけれど、伝えきれない事を感じています。 直接聞いて、話せる、生の言葉を届けたい、頭に残したい。そんな気持ちがあって、ワークショップを始めるようになりました。

 

豊澤 長一郎さん登場

 

< 豊澤長一郎さん自己紹介 >

 滋賀県長浜市出身。子ども歌舞伎で有名な場所。
父の影響で三味線を習い始める。

 

< 長一郎という名前の由来 >

滋賀県長浜市の長を取って長一郎。

 

<竹本について>

 

義太夫になられてから弟子入りをされ、伝統芸能には珍しく竹本には師弟制度がなく、自身でのし上がって行かなくてはならないのが辛いところです。
役者さんや松竹さんに、「こいつ使えるな。」と思ってもらえて初めてお役が付くのです。

 

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< 三味線のしくみ >

バチ、皮、糸などの素材。

調子の合わせ方。駒の重さで変わる音の違いを知る。

 

< 竹本三味線の音色を聞く >

歌舞伎の舞台に立つ前に、楽屋でウォーミングアップのために弾く曲(腕慣らしと腕固め)の演奏。普段は布掛けて音が鳴らないように練習しているそうです。
カラオケボックスでも音が漏れないので練習の場で使っている方もいる、という裏話もありました。

[カラニ]歌舞伎義太夫三味線の特徴のひとつ。2の糸をトンと弾くだけの時間経過を表す演奏方法。

 

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仮名手本忠臣蔵の五段目の場面の演奏( 附け打ちとのセッション )
この場面では、三味線の音がとても良いので徹さんとしてはお客様に聞かせたい為、普段の舞台では附けを早めに止めている、などタイミングや強弱など、お互いの本音を交えてのセッションでした。

 

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< 附けのワンポイント講座 >

 三味線は役の心情を現すとすれば、附けは役の大きさや男女などの違いを主には現します。強弱や速さで違いをつけ、
附け木と附け板(ケヤキ)フェルトの布を附け板の下に敷き叩きます。すると木本来の響きが生まれ、 敷かないとベタッとした音になってしまうのです。
お尻の丸い所を先に当てて滑らせて叩く2つの音が合わさって叩きます。

 

< 附け打ちの心構え >

間合いを大事にしたい。芝居がどんどん早くなってきている傾向があるため、醍醐味が無くなってしまわないように、間合いを大切に守っていかなければいけないと思っています。

 

< 義太夫の掛け声 >

役者によっては声が大きいと怒られたりもします。かと思えば派手にと言われる時もありますが。
「ハッ」、「ヒャ」、「あーーー」とそれぞれの義太夫の発散の場となっています(笑)。
三味線のテンポやノリも役者に寄って違ってきますね。

 

< 体験コーナー >

参加者3名ほどが、実際に舞台で使用されている三味線を特別に演奏する事が出来る、貴重な体験コーナー。

 


 

 

まとめ

 

 < 豊澤 長一郎さんの想いとは >

 竹本とは師弟制度ではないので、先輩方の芸を盗んで学んでいくしかないので、その事を基本に頑張っていきたいです。

先輩方の芸や役者さん、お客様に感謝の想いで日々の舞台を努めていきたいです。

来月は歌舞伎座2部の鮨屋(通常であれば3組に分けるところを1人で弾く)の大役です!ご観劇をお待ちしております!

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<山﨑 徹さんの想いとは >

 竹本は、後継者も少ない、かといって歌舞伎には欠かせない存在です。芸をこれから後輩に育てるという事も同時にやっていかなくてはいけません。
そういった事を、熱心に考えていらっしゃると感じて、長一郎さんをゲストにお呼びしました。

 

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伝統芸能の継承と名打ったワークショップに相応しい、次の世代に繋いでいくということを多く語っておられました。附け打ちの後継者は少なく、現状は厳しいものです。

豊澤長一郎さん、山﨑徹さんも、それぞれ歌舞伎の舞台で活躍され、自身の勉強も常に行いながら、と同時に、若い世代へ繋ぐ事も忘れず取り組んでいらっしゃいます。

 

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歌舞伎は、江戸時代から現代まで絶えず、劣らず、進化もしながら、継承されています。

後継者が少ないという現状が差し迫っている中にも、colors*で追いかけている方々は、歌舞伎に魅了され、歌舞伎の世界へ足を踏み入れられました。そして計り知れない努力を続けています。

きっと同じように、そのような方々が繰り広げる歌舞伎という世界に興味を持ち、志すきっかけを得る人々が必ず生まれ続けると、私は思います。

継承の大切さ、難しさ、そして希望を今回のワークショップで、感じることが出来ました。

 

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Yui

Yui

図書館司書とシナリオライターの二つの顔を持つYUIです。 伝統芸能に精通しており、歌舞伎、邦楽、落語、着物の魅力を広めたいです。